慢性疲労<因果を離脱する方法> [ひとり言]

2002_0318_134310AA.jpg TASOGARE

お疲れですか?

沈んだ顔をして「疲れた...」とつぶやく人。明るい顔をして「あ~、疲れた!」と、良い「ホッ」を出す人。

いろいろな「疲れた」にお目にかかりますが、これほどまでに高度に発達した文化、文明の社会で、お疲れの方が増えてくるのはなぜでしょう。楽をして幸せになるための文明は全人類のもの?それとも一部のハイソの人たちのためのもの?

ある本によると、世界のトップから255人の資産家が、彼らが持つ1割の財産を拠出すれば、地球上の誰も餓死することはなく、幸せになれるそうです。

あなたは、何のため、誰のために、睡眠時間を削って、家族を犠牲にして、そんなに疲れ切るほど働いているのですか? これは、現代社会が持つ究極の問題と思っています。

健康な人は、運動、休養、栄養のバランスがとれています。
ところが、職場の疲労度を問診によってチェックすると、運動、休養、栄養のバランスがすべて乱れています。

慢性的な疲労感に悩まされている人の問診票を見ると、①運動の習慣がない。②夜十分な睡眠時間が確保されていない。③食事が不規則あるいは、夕飯が夜遅い。と3拍子そろっていて、①頭痛、肩こりがある。②休養がとれている感覚がない。③寝付きが悪い④集中力がない。そして、いつも疲労感を感じています。

ところが、世の中には2~3時間しか寝ていないのに楽しそうに、毎日楽しそうにばりばり働いている方が大勢いらっしゃいます。

彼らは、いったい何者でしょう?スーパーマンでしょうか?いいえ、ただの人類です。クリプトンエネルギーを持っているわけではありません。

彼らをよく観察してください。言動をよく見てください。今を真剣に生き、持てる限りの能力を最大限に発揮しているだけです。

どうして、そんなことができるの? 答えはたった一つ。過去にとらわれていないだけです。

今日は、昨日と違う1日で、完全にリセットしているからに他なりません。

ところが、運動・休養・栄養のバランスを崩すことが原因の慢性疲労とは別に、もう一つのパターンがよく見られます。

普通の人は、疲れる理由を過去の出来事の中に一生懸命に探そうとしまう。そして、それらしい理由が見つけると、それが原因であると断定します。

 昨日、眠れなかったから。
 いつもと違う仕事をやらされたから。
 たくさん残業をやらされたから。
 上司にこっぴどくやられたから。
 本来しなくても良い仕事をさせられたから。

いろいろ、過去に起こった自分にとって望ましくない事柄を原因と考え、今の自分をその結果としてとらえる傾向があります。因果の法則の中に自分をおいて、エクスキューズしようとしています。それが、本当の原因と結果かどうかわからないのに決めつけている場合が多くみられます。

たとえば、私のクリニックに訪れる患者様の訴えに、次のようは話を毎日のように聞いています。

① 先週の日曜に、奉仕の草刈りをさせられてから、ずっと調子が悪い。
② 2年前に出された薬を飲まされてから、体調が戻らない。(もちろんその後2年間は飲んでいません。)
③ 認知症老人の介護で、疲れている。(その方の介護に関わる時間は1日1~2時間程度です。)

当然上の事例は、現在の体調不良の原因にはなり得ないものばかりです。つまり、思い込みです。
しかし、人は過去のネガティブな出来事にとらわれ、その思い込みから、今の心と体に影響を与えています。

慢性疲労も、昨日の仕事が今日の疲れの原因。毎日の過重労働が今の疲労の原因と“勝手に”考えていることが往々にしてあるようです。

では、自分が勝手に作った、因果の法則を打ち破り、毎日元気で過ごすにはどうしたらよいでしょうか?

簡単なことです。朝起きた時と、寝る前にあなたの記憶バッファーをリセットして、空にすることです。あなたのメモリーの中に、疲労の原因となる記憶を蓄積させないことです。
先ほどもお話ししたように、スーパーマンと呼ばれる人たちは毎日やっています。彼らの中に「後悔」の2文字はありません。あるのは「学習」の2文字です。

まず、朝起きて、さわやかな朝を感じ、朝日に当たりましょう。天に向かって両手を掲げ、天地創造の神に感謝しましょう。決して「昨日、何時間しか眠れなかった。」とか、「昨日は遅くまであんな仕事をさせられた。」などと決して思わないでください。今朝は、昨日と違う新しい自分を感じましょう。

そして、寝る前に、布団に入ってから、目を閉じ、鼻でリラックスした呼吸をしながら、一呼吸毎に全身の筋肉から力を抜いていきましょう。今日あったことは何も考えず、こう唱えましょう。「今から、25から1まで数を数えると、普段の2倍(3倍でも良いです。)深い眠りに入り、明日の朝はすっきり、最高の気分で目を覚ます。」そして、ゆっくりと25から1まで数を逆唱し、リラックスの世界に身を任せましょう。

仏陀が悟りを開いた時、同時に究極の真理、すなわち無常の法則を見つけられました。実は、これは単なる精神世界の話をしているわけではなく、今から2500年前に、量子論を発見されたのです。何を発見されたかというと、すべての物体は、微粒子で構成され、その構成要素である微粒子は、生成と消滅を繰り返し、一定の場所に留まってはいないという素粒子の物性の話なのです。

私たちの体も、その素粒子でできていますが、その素粒子は生成・消滅を繰り返し、同じ素粒子ではあり得ないと言うことです。すなわち、昨日の私と、今日の私は別物だということです。過去を引きずる必要など全くないのです。過去に原因を求めなければ、その結果も起こり得ないと言うことです。仏陀が説く、苦を滅する方法の一つに他なりません。

昨日の私は疲れても、今日の私は疲れていないと言うことです。

「何を馬鹿な!」とおっしゃる方は、明日も明後日も、今まで通り因果の法則に巻き込まれて生きてゆくだけです、
信じられない?

信じることです。

信じることからすべてが始まります。そして、あなたが信じることが起こるのです。

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