死ぬまで黄昏れない極意 [ひとり言]

DSCF0030.jpg 枯れススキにならないで

アルツハイマー型認知症の、社会的な認知度が高まり、最近ではある程度の高齢になられて、だんだん物忘れが多くなるにつれて、ご自分が認知症ではないかと心配して訪れる方が多くなってきました。

「先生!最近物忘れがひどくなってきた。アルツハイマーかも知れないからMRIを取って調べてくれ。」なんてお話は日常茶飯事です。

もちろんご希望通りにMRIの予約もとりますが、これは多くの場合アルツハイマーの診断をするためではなく、脳血管障害、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫など、アルツハイマー病以外の病気がないかを確認するためです。実は、仮にこの方がアルツハイマー病の初期だとしてもこの段階でMRIで診断できるほどの所見は得られないからです。アイソトープを使ったシンチグラフィーと言った特殊な検査が診断に役立ちますが、これも初期にはビミョーです。

初期診断は、あくまでも長い病歴聴取と臨床症状です。

最近の研究で、アルツハイマー病の脳神経にアミロイド蛋白が蓄積することが明らかになり、これが原因のように言われることがありますがまだまだ十分解明されているわけではありません。

認知症の症状は?

もちろん物忘れです。

人の名前が覚えられなくなった。財布をどこに置いたかわからなくなってしまった。家族から頼まれたことを忘れてしまった。外出して傘を忘れた。昨日食べた夕食のおかずが思い出せない。etc.etc.  あ~!年は取りたくない!

と言う自覚があり、日常生活はさほど困っていない方は年齢による健忘症でしょう。

アルツハイマー型認知症は、

比較的ゆっくりと進行する物忘れ。だんだん悪化してきます。
同じ話を何度も繰り返すようになってきます。
季節にそぐわない衣服を着るようになり、そのことに気づかなくなります。
記憶違いを指摘されると、その場を取り繕うようなプチ嘘をつきます。あるいは怒る。
そして、物忘れがひどくなったことに自覚がありません(病識がない)。

こうした症状が見られるようになったら、十分疑う必要があります。

アルツハイマーと診断がついてしまったら。

アルツハイマー型認知症に対して、ドネペジルという薬を初め、最近ではさらに4種類の薬が開発され功を奏しています。しかし、どの薬も進行を遅らせたり、症状を若干改善させる効果はありますが、治す薬ではありません。しかし、中には症状が良くなり、何年も進行していない患者様も確かにおられます。すでに進行している方では効果が薄いようです。

確かに、薬物療法も大切ですが、もっと肝心なのは、家族や周りの人たちの援助と、生活習慣の改善です。

家族がアルツハイマーになった時。

それまで以上にコミュニケーションを取ってください。
どんなに、現実離れしていても、矛盾だらけのことを言っても、否定せず、まず認めてあげてください。認知症のかたには話している内容が真実なのです。否定をされれば、信用を失います。場合によっては敵と見なされます。
認知症の方の話に寄り添ってあげてください。
上手に、おだてて別のことに興味を移してあげてください。体を動かしてあげて下さい。
絶対にしてはいけないこと。「おまえは認知症だ。」となじらないでください。

認知症の介護は、壁に向かってキャッチボールをすることと同じだと言われています。
こちらが、強いボールを投げれば、強いボールが帰ってきます。
ソフトに、投げればソフトに帰ってきます。
これが、認知症介護の極意です。

DSCF0027.jpg 勝手に黄昏れないで
自分が認知症にならない方法。

最近は、生活習慣病だとも言われます。
次のことをよく、記憶に留めていただき、いずれ訪れる老後にアリスの世界の住民にならないよう予防をしてください。

① 食習慣では、魚(EPA・DHAなどの脂肪酸)の摂取、野菜果物(ビタミンE・ビタミンC・βカロテンなど)の摂取、赤ワイン(ポリフェノール)の摂取などがアルツハイマーの発症を抑えることがわかっています。1日に1回以上魚を食べている人に比べ、ほとんど魚を食べない人は本症の危険が約5倍であると言われています。医療機関で脂肪酸分画を調べてもらってください。EPA/AA比が低い方は要注意です。
② 歩行等の運動習慣で高血圧やコレステロールが下がり、脳血流量も増加するため、週3回以上運動している人は、全く運動しない者と比べて、発症の危険が半分だったと報告されています。
③ 知的生活習慣も大切です。人と会話をする。トランプ・囲碁などのゲームをする、文章を読む、楽器の演奏、ダンスなどをよく行う人は、発症の危険が減少するという報告があります。
④ 睡眠不足は発症率を上げる可能性があります。

こうして見ていくと、老後の問題ではないことがわかりますね。
若い内から、予防することがいかに大切かをご理解ください。

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