現代人の食事の常識・非常識 [ひとり言]

DSCN0020.jpg メイン・ディッシュ

ぼちぼち中高年。

昔のように動けない。動悸・息切れ。めまい・ふらつき。
口から心臓が飛び出しそうなくらい苦しい不整脈。
治してほしいと来院されますが...

治療の7割は暗示療法、2割は受け入れとあきらめ、1割は薬。
薬には思いっきり暗示をかけて処方します。

老化に伴う症状は、わかっていてもなかなか受け入れがたいもの。
しかし、その大半が、食生活の乱れや運動習慣がないことが原因。

心臓は一生の内に何回脈を打つのでしょうか?

1日平均約10万回打ちます。
単純に計算して女性の平均寿命の86歳まで生きたとすると
100000×365×86=3139000000
およそ31億回脈を打つことになります。

これだけ打てばガタもくるでしょう。とおっしゃる方がおられます。
本当にそうでしょうか。
心筋細胞は再生ができません。その意味では死んでしまった細胞は元に戻りませんが、生きている限り、細胞はその構成要素を修復しながら活動し続けます。
ですから、良い材料を供給している限りはうまく修復してくれます。

細胞の膜や細胞内の器官、様々な酵素系の多くは油でできています。その材料はもちろん食物から摂ります。

例えば、弾力のある若い細胞膜は、たくさんの2重結合を持つ不飽和脂肪酸を多く含みます。2重結合を多く含む多価不飽和脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれ、植物や魚に多く含まれるω3脂肪酸やω6脂肪酸です。

動物性の油は常温で固まる、2重結合を持たない飽和脂肪酸です。もちろん肉の中には必要なタンパク質や、必須アミノ酸や、必須脂肪酸を含みますが、悪い油やコレステロールも一緒に取り込むことになります。

先日、テレビの番組で、ご高齢の方の健康を考えて肉を控えたら、筋肉が衰えてしまったとのことで、肉は体力や健康維持のために必要だという内容の話がありました。

本当にそうでしょうか?

肉を控えるだけでは、確かにタンパク不足になってしまいます。肉類を控えた分だけ魚や、豆類等から良質なタンパク質を多く摂ることによって、動脈硬化を防ぎながら必要な栄養素を摂ることができます。
ここが大切なポイントです。

私のところに定期的に送られてくる、ハーバード大学、Harvard School of Public Healthからのニュースレターを見ても、ほとんど毎回のように動物性タンパクを控えて、野菜や豆、穀類から必要な栄養素を多く摂ることを推奨する内容の話ばかりです。

http://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/what-should-you-eat/pyramid/index.html

会員制のサイトですが、ご興味のある方はご覧ください。

老化に伴い様々な体調不良が出てきます。

心臓が口から出そうな不整脈の症状も、元を正せば心筋細胞に電気的ないたずらが起こるような傷をつけてしまったのが原因です。

過食や、悪い油を含む食事の問題、高血圧、ストレス、不規則な生活etc.

現代人の一番の問題は、そうしたご自身の問題に気づいていないことです。

私の外来で100人の患者さんに尋ねると、ほぼ100人の患者さんが悪いものは食べていないとお答えになります。

1日30品目のキャッチフレーズがもう何年も前に厚労省のHPから消えたことをご存じですか?
実は30品目という過食に気づいたからです。

現代人の食欲を満足させる食事はすでに過食状態なのです。

DSCN0023.jpg 美味しいデザート

あるいは、日本の栄養学者が書く食事のピラミッドの絵と、先ほどご紹介したHarvard School of Public HealthのHPにある理想的な食事のピラミッドの違いにお気づきになられたでしょうか?

昭和30年台の食卓を覚えておられる方、あの当時の食事が最も健康的だと言われたらどう思われますか?物のない時代だと思われますか?

お肉は贅沢品。たまに食卓に並ぶと子供達は大喜びする時代です。あの当時の食事から塩分を控えれば健康食の完成です。

成人の30%以上が脂質異常症、3人に一人が糖尿病かその予備群という食事の非常識を皆さんの手で常識的な食生活に変えてみませんか。

presented by
石原クリニック
  http://www.ishihara-clinic.jp/
石原クリニックセラピールームETERNAL COMFORT
  http://www.ishihara-clinic.jp/eternal/index.html

人気ブログランキングへ ランキングアップにご協力を.
nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 4

やなぼー

勉強になりましたm(_ _)m

私は、潰瘍性大腸炎(UC)の患者なので、そこそこ身体には
気を使ってる方だと思っているのですが・・・
この時期の不規則、不養生の生活は厳しいです。

どうせやるなら、楽しんじゃえ!と気楽に構えてますが、全部
が全部そういうところではないのが辛いところです(>_<)

今は、月食見て体調崩してる愚か者ですが・・・(^_^;)
by やなぼー (2011-12-13 14:53) 

Hitochan

コメントありがとうございます。
UCですか。大変ですね。教科書的には寛解再燃を繰り返すとなっていますが、私の友人でもほぼ完治と思われ、20年以上内服していない人もいます。
完全寛解を心からお祈りしております。
ストレスが増悪因子の一つと言われていますので、何もかも楽しんでしまう気持ちはとても大切ですよね。
この記事に関連してですが、私の同僚が免疫反応の研究をしていて、ω3脂肪酸(エイコサペンタエン酸=鰯油、亜麻仁油など)が過剰な免疫反応を押さえてUCやリウマチが改善していると話していました。イコサペンタエン酸1.8g/日投与して好成績を得ているようです。
ご参考にしていただけましたら幸いです。
by Hitochan (2011-12-13 17:26) 

Hitochan

追伸
すばらしい皆既月食の写真。見せていただきました!感激です。
まさに神秘ですね。
私はこの日、講演の後で疲れてしまい、日食のことをすっかり忘れて爆睡してしまいました(爆)
by Hitochan (2011-12-13 17:40) 

やなぼー

大変参考になりました。ありがとうございますm(_ _)m

私は20年程前の初発で、運良く?旭川医大の3内の先生に
たまたま見てもらったので、助かりました。
あの頃はまだ珍しかったので、UC患者は聞くとみんなたらい
回しにされてたようです。
今現在は、10年程前にプレドニンが切れたところで、治療は
終わりにしてしまいました。
寛解状態ではないですが、普通に生活できて、何とか持って
ます(^_^;)

月食、きれいだったので、見れなかった人に見てもらおうと思っ
て、ちょっと頑張っちゃいました(^_^)v

また秩父へ来て下さい(^_-)
by やなぼー (2011-12-13 18:53) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

読者になる

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。