高血圧を治すのに薬は要らない [ひとり言]

DSC_4073.jpg 短い人生、そんなに急いでどこ行くの?

もう、25年余り前になります。
市民病院に勤めていた頃、外来でどんなに薬を増やしても血圧が200mmHg近くから下がらない患者さんがおられました。
食餌療法や生活習慣のお話しをしてもご家庭での血圧は180/90mmHg。
もう、60歳を過ぎて旦那さんも定年を迎え、ご本人はボーリングのアベレージ250点というプロ級の腕前。
「何一つ不自由をありません。もちろん健康を考え薄味です」とのこと。
お元気な方だったので、迷っていましたが、よくよく考えた上、「一度入院して治療をされませんか?」と持ちかけた。
「時間はいくらでもあるからいいですよ。」
さて、入院初日、私は心臓カテーテル検査が終わり、病棟を回診して、この方を最後に訪れました。
新規入院患者さんにはいつもそうしているように、夜の10時頃まで約3時間ほどベッドサイドでお話しをしました。
外来でお聞きした、裕福でとても幸せな生活のお話しが、ベッドサイドでお話しをしている間にだんだん様子が違ってきました。
旦那さんは退職前から、奥さんを自由にしてくれていました。退職後も同じ状態でお互い干渉せず、好きなボーリングをやらせてくれてとうとうアベレージ250点。
よくよくお聞きしてみると、ずっと誰も相手をしてくれず、旦那さんが定年退職してからはきっと二人の時間が持てると楽しみにしていたところ、これまで通りで見向きもしてくれなかったとのこと。
寂しさを紛らすためにボーリングに夢中になっていたとのこと。
生い立ちの頃から、最近のことまでゆっくりお話しをお聞きし、「お休みなさい」とご挨拶をして病室を離れました。
 
明くる日の午前中、患者さんが低血圧で倒れたと看護師から報告がありました。
病室に行くと患者さんは「先生、昨日はぐっすり眠れました。」
内服をまず半分に減らし、さらに3日後には全く薬が要らない状態に。
そして1週間後には処方なしで退院されました。
私がしたことは、ただ病室でお話しをお聞きしたことだけ。
 
全ての方が、そうではないと思います。
しかし、私が医師になり、「病って何だろう?」と疑問を持ち始めた初めての経験です。
その後、この方はご主人ととても仲良く一緒の時を過ごされるようになったようです。
なにか、大切なことに気づかれたのでしょうね。

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