ヒプノセラピストの仕事 [ひとり言]
問題は水面下に
今日は、まじめにヒプノセラピストのお仕事をしたいと思います。
「催眠」という言葉を聞くと、ほとんどの方が、人を眠らせて操る怪しい術と思われているのではないかと思います。
最近は見なくなりましたが、テレビのバライティー番組で、催眠術師なる人が、芸能人や、会場の人を舞台に上らせて、催眠術をかけ、動物のまねをさせたり、体をカチカチにして、何人もの人をおなかに乗せたりするのを見せたりしていました。
催眠術を知っている人は、まずこのショー催眠を思い浮かべられます。
また、催眠という言葉自体にも誤解を生む要素がありそうです。
催眠という言葉できたのが約200年前で、イギリスの精神科医ジェームズ・ブレイドによって名付けられました。催眠が、本格的に治療に利用されるようになったのもちょうどこの頃からです。しかし、その後の研究で催眠という現象が、眠りとは全く関係ないことがわかってきました。
催眠そのものが、インチキだという人は今ではもういないと思いますが、催眠状態がどういうものかを理解している人はまだまだ少ないようです。
誰でも、1日に何度か催眠状態と同様の意識状態になっていると言われたら、びっくりされますか?たとえば、映画を真剣に見ている最中や、真剣にあることに集中して物思いにふけっている時などがその状態で、変性意識状態と呼ばれています。
こんなの時は、たとえば映画が作り物だとわかっていながら、感動したり、驚いたり、涙を流したりしています。これは、多くの人が無意識と呼ぶ、いわゆる潜在意識の領域が直接情報をキャッチしている状態なのです。
人の意識は、五感から入る情報を理性的に価値判断する10%の顕在意識の領域と、感情・感覚・記憶などの非論理的な情報を蓄える残り90%の潜在意識から成り立っています。幼少期に得られた体験や学習もこの領域に保存されています。
通常、大人は五感から入ってくる情報を理性的に判断して、潜在意識に落として良い情報だけを潜在意識にインプットします。顕在意識と潜在意識の間には、このフィルターが存在して、潜在意識を守っていますが、強い感情を伴う刺激や情報が五感から入ってくると、顕在意識が混乱してフィルターが働かなくなり、直接潜在意識に入り込んでしまいます。いわゆるトラウマもこうしたメカニズムで潜在意識に深く埋め込まれます。
通常8~9歳ぐらいまで、このフィルターが存在しないので、幼少期に体験したことは良いものも悪いものも全て、潜在意識に埋め込まれていきます。こうして、幼少期に埋め込まれた情報やプログラムが、その後の行動様式に大きく影響していくことになります。
水面にさざ波なし
潜在意識に埋め込まれた情報は、顕在意識がコントロールできません。たとえば、悲しみや怒りに満ちた思い出が、ふと心に浮かんできた時、理性(顕在意識)で消し去ることができるでしょうか?どんなに理性で押さえても、悲しみの涙は消し去ることはできませんね。「泣くな!」と言われて、ぴたりと涙が止まりますか?誰もが経験することです。
人は多くの経験をする間に、先ほどのトラウマの様に、好ましくないマイナスの情報を潜在意識に埋め込んでしまうことがあります。それが理性では押さえきれず、時として人を苦しめることがあります。
そうした場合、苦しみを和らげるために、心療内科や精神科に受診して、カウンセリングを受けたり、薬物を用いて治療を行います。
欧米では、精神科医やヒプノセラピストが催眠療法を用いて、潜在意識に埋め込まれた苦しみの元を和らげる治療(施療)を行うことがあります。
催眠療法(ヒプノセラピー)とは、どんなことをするのでしょうか?
最初にお話ししたように、誰でも催眠様状態(変性意識状態)になりますから、催眠に入れない人はいません。
催眠状態に入っても、意識を失うどころか集中力はむしろ高まり、忘れていた記憶も思い出しやすくなります。自分自身のコントロールを失うこともなく、しっかり自分の心と向き合うことができます。
催眠療法を簡単に言うと、人為的に、変性意識状態を作り、顕在意識と潜在意識の間にあるフィルターを取り去って、潜在意識に直接働きかけることができるようにし、そこに埋め込まれた、苦しみの原因になっているマイナスイメージを取り去ったり、良いイメージを埋め込んだりすることです。場合によっては、原因を発見するだけで気づきが起こり、自分自身でよりよいイメージに認識を変化させることもあります。
セラピストは勝手にイメージを書き換えるわけではなく、クライアントの希望に添って、良いイメージ作りのお手伝いをするのみです。
直接原因に働きかけるため、効果はきわめて大きいですが、反面、セラピストの人間性や良識、技量も大切な要素です。愛にあふれて、クライアントの心を理解し、セラピスト自身の価値観を押しつけることのない、「寄り添いの心」を持ったセラピストを選ぶことも大切なことであることは言うまでもありません。
催眠療法は魔法でもまやかしでもなく、よりよく生きるための強力な心理療法です。
日本でも、すでに精神科領域で催眠療法を取り入れているところがあります。
昨年の、日本内科学会の総会シンポジウムで、過敏性腸症候群に催眠療法が著効するとの発表がありました。
今後さらに、医療側の認識も変わり、積極的に催眠療法を正しく取り入れていくことを期待したいと思います。
催眠療法は、とても時間のかかる作業です。忙しい医師が行うには難しい問題もあります。
民間のセラピストの中には、すばらしい人間性、正しい知識と技量を持ち、たくさんの苦しむ人たちの心を救っているセラピストがたくさんいます。医療側と密な連携がとれ、ますます発展することを期待したいところです。
天災や様々な事故、病気などで心の問題を抱えておられる方が多くなってきました。
すでに、多くのヒプノセラピストが、苦しむ人たちの役に立ちたいと待っています。
presented by
石原クリニック
http://www.ishihara-clinic.jp/
石原クリニックセラピールームETERNAL COMFORT
http://www.ishihara-clinic.jp/eternal/index.html
ランキングアップにご協力を.
今日は、まじめにヒプノセラピストのお仕事をしたいと思います。
「催眠」という言葉を聞くと、ほとんどの方が、人を眠らせて操る怪しい術と思われているのではないかと思います。
最近は見なくなりましたが、テレビのバライティー番組で、催眠術師なる人が、芸能人や、会場の人を舞台に上らせて、催眠術をかけ、動物のまねをさせたり、体をカチカチにして、何人もの人をおなかに乗せたりするのを見せたりしていました。
催眠術を知っている人は、まずこのショー催眠を思い浮かべられます。
また、催眠という言葉自体にも誤解を生む要素がありそうです。
催眠という言葉できたのが約200年前で、イギリスの精神科医ジェームズ・ブレイドによって名付けられました。催眠が、本格的に治療に利用されるようになったのもちょうどこの頃からです。しかし、その後の研究で催眠という現象が、眠りとは全く関係ないことがわかってきました。
催眠そのものが、インチキだという人は今ではもういないと思いますが、催眠状態がどういうものかを理解している人はまだまだ少ないようです。
誰でも、1日に何度か催眠状態と同様の意識状態になっていると言われたら、びっくりされますか?たとえば、映画を真剣に見ている最中や、真剣にあることに集中して物思いにふけっている時などがその状態で、変性意識状態と呼ばれています。
こんなの時は、たとえば映画が作り物だとわかっていながら、感動したり、驚いたり、涙を流したりしています。これは、多くの人が無意識と呼ぶ、いわゆる潜在意識の領域が直接情報をキャッチしている状態なのです。
人の意識は、五感から入る情報を理性的に価値判断する10%の顕在意識の領域と、感情・感覚・記憶などの非論理的な情報を蓄える残り90%の潜在意識から成り立っています。幼少期に得られた体験や学習もこの領域に保存されています。
通常、大人は五感から入ってくる情報を理性的に判断して、潜在意識に落として良い情報だけを潜在意識にインプットします。顕在意識と潜在意識の間には、このフィルターが存在して、潜在意識を守っていますが、強い感情を伴う刺激や情報が五感から入ってくると、顕在意識が混乱してフィルターが働かなくなり、直接潜在意識に入り込んでしまいます。いわゆるトラウマもこうしたメカニズムで潜在意識に深く埋め込まれます。
通常8~9歳ぐらいまで、このフィルターが存在しないので、幼少期に体験したことは良いものも悪いものも全て、潜在意識に埋め込まれていきます。こうして、幼少期に埋め込まれた情報やプログラムが、その後の行動様式に大きく影響していくことになります。
水面にさざ波なし
潜在意識に埋め込まれた情報は、顕在意識がコントロールできません。たとえば、悲しみや怒りに満ちた思い出が、ふと心に浮かんできた時、理性(顕在意識)で消し去ることができるでしょうか?どんなに理性で押さえても、悲しみの涙は消し去ることはできませんね。「泣くな!」と言われて、ぴたりと涙が止まりますか?誰もが経験することです。
人は多くの経験をする間に、先ほどのトラウマの様に、好ましくないマイナスの情報を潜在意識に埋め込んでしまうことがあります。それが理性では押さえきれず、時として人を苦しめることがあります。
そうした場合、苦しみを和らげるために、心療内科や精神科に受診して、カウンセリングを受けたり、薬物を用いて治療を行います。
欧米では、精神科医やヒプノセラピストが催眠療法を用いて、潜在意識に埋め込まれた苦しみの元を和らげる治療(施療)を行うことがあります。
催眠療法(ヒプノセラピー)とは、どんなことをするのでしょうか?
最初にお話ししたように、誰でも催眠様状態(変性意識状態)になりますから、催眠に入れない人はいません。
催眠状態に入っても、意識を失うどころか集中力はむしろ高まり、忘れていた記憶も思い出しやすくなります。自分自身のコントロールを失うこともなく、しっかり自分の心と向き合うことができます。
催眠療法を簡単に言うと、人為的に、変性意識状態を作り、顕在意識と潜在意識の間にあるフィルターを取り去って、潜在意識に直接働きかけることができるようにし、そこに埋め込まれた、苦しみの原因になっているマイナスイメージを取り去ったり、良いイメージを埋め込んだりすることです。場合によっては、原因を発見するだけで気づきが起こり、自分自身でよりよいイメージに認識を変化させることもあります。
セラピストは勝手にイメージを書き換えるわけではなく、クライアントの希望に添って、良いイメージ作りのお手伝いをするのみです。
直接原因に働きかけるため、効果はきわめて大きいですが、反面、セラピストの人間性や良識、技量も大切な要素です。愛にあふれて、クライアントの心を理解し、セラピスト自身の価値観を押しつけることのない、「寄り添いの心」を持ったセラピストを選ぶことも大切なことであることは言うまでもありません。
催眠療法は魔法でもまやかしでもなく、よりよく生きるための強力な心理療法です。
日本でも、すでに精神科領域で催眠療法を取り入れているところがあります。
昨年の、日本内科学会の総会シンポジウムで、過敏性腸症候群に催眠療法が著効するとの発表がありました。
今後さらに、医療側の認識も変わり、積極的に催眠療法を正しく取り入れていくことを期待したいと思います。
催眠療法は、とても時間のかかる作業です。忙しい医師が行うには難しい問題もあります。
民間のセラピストの中には、すばらしい人間性、正しい知識と技量を持ち、たくさんの苦しむ人たちの心を救っているセラピストがたくさんいます。医療側と密な連携がとれ、ますます発展することを期待したいところです。
天災や様々な事故、病気などで心の問題を抱えておられる方が多くなってきました。
すでに、多くのヒプノセラピストが、苦しむ人たちの役に立ちたいと待っています。
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石原クリニック
http://www.ishihara-clinic.jp/
石原クリニックセラピールームETERNAL COMFORT
http://www.ishihara-clinic.jp/eternal/index.html
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2011-09-22 22:24
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