コレステロールは高い方が良いの?(続編) [ひとり言]

DSCF1155.jpg かなりお寒いです。

今日、一人の患者さんが受診されました。

6年前に、高コレステロール血症が主原因で、狭心症になられた方。

紹介先の総合病院で、冠動脈バイパスの手術を受けて、約5年。

病状が安定したとのことで、私のクリニックに治療継続のため紹介受診されました。

一通りの問診と診察、最近の病状と、今後のことをお話しして、処方を出そうとカルテに入力をしようとした矢先。

カバンの中から、なにやら3冊ほどの本を取り出されました。

私も、コレステロールの講演などで、よく引き合いに出させていただいている本ばかり。

いわゆる、<コレステロールは高い方が良い。><コレステロールは薬で下げるな。>という内容の本。

これらの本を読まれ、病状が安定しているので、コレステロールを下げる薬をやめたいとのお申し出がありました。

すでに、この本は絶版になっており、以前コレステロールは高い方が長生きする類の声明を出されて、ほかの多くの学会から、非難囂々だった某学会の関係者のかたが書かれた本でした。

私は、「世界のほとんどの学会が、虚血性心疾患のかたのLDLコレステロールが100以上に上昇すると、高率に再発が予測されるために、LDLを100以下に低下させることがほぼ常識になっていますよ。」

と、お話ししたところ、それでも自分の責任で一度やめてみたいとのこと。

私が、これらの本の要旨を全てお話しし、「これらの本には、冠動脈疾患のLDLがどの程度で、どれぐらいの再発率があるか、書いてありましたか?書いてありませんよね。」

さらに、「万一再度心筋梗塞になられた時、この本の筆者が責任を取ってくれるとお思いですか?この本の筆者がどれくらい冠動脈疾患の治療をなさり、どんな論文をこれまでに報告されたか調べられましたか?」

とお話したところ、私が全ての本を読んでいることに驚かれた様子で、ようやく信用され、薬を飲むことに同意をされました。

ペンは剣よりも強しと言います。

確かに、ペンで意見を述べることは大切な権利です。

しかし、そのペンが、ある人の不幸を招くことがあるとしたら。

言論の自由は「自由」ではなくなるでしょう。責任の伴わない自由はないと思っています。

責任を伴わない自由は「自由」ではなく「勝手」というものではないでしょうか。

もし、あなたが様々な情報を元に、ある選択をされた時。

それによってもたらされる結果も、全て受容するという責任を果たして初めて「選択の自由」を唱えられると思います。

決して、「迂闊」にご自分の人生を賭けないよう。「慎重」に選択されてくださるよう、切にお願いしたいと思います。

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石原クリニック
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