健診結果に一喜一憂 [ひとり言]

DSCF0425.jpg 西沢渓谷

最近、健康に気遣う人たちが増え、人間ドックや健診を受けられる方が多くなってきました。病気や不健康な状態を早期発見して、健康管理や早期治療に結びつけるのが目的であることは間違いありません。

皆さんはどのように健診の結果をご覧でしょうか。
医学知識を持たずに、個々の数値を見ても、おそらくどんな意味を持つかを理解することは困難です。

まず、健診結果のまとめにいくつかの注意項目が箇条書きにしてあります。たとえば、

③脂質検査の結果に異常値を認めます。医療機関を受診し再検査することをおすすめします。
④...
⑤腹部超音波検査は、腹部内臓の形態や機能を見る検査です。今後も定期的に検査を受けられることをおすすめします。
⑥...
⑦胸部X線写真に異常所見を認めます。必ず医療機関にて精密検査を行い、医師の指示を受けてください。

等々。まず、上の場合③は、健康上の問題が隠されている可能性があり、再検査をして診療を受ける必要があるかどうか判断する必要がある場合です。⑤はすぐに医療機関を受診する必要はないが、通常6~12ヶ月程度で同じ検査を受け、変化の有無を確認する必要がある場合です。⑦は疾病にかかっている可能性が高く、できるだけ早く医療機関を受診する必要がある場合です。

また、ページを開けてそれぞれの検査値を見る場合、身体計測、尿検査、脂質異常、腎機能、肝機能、etcと項目別に数値や所見が並んでいます。そこに通常はA,B,C,D,Eの文字があり、どこかのページに次のような説明が書いてあります。
A:異常なし
B:わずかな異常を認めますが心配ありません
C:定期的な観察を必要とします
D:再検査を要します
E:精密検査が必要です

上記の③はD、⑤はC、⑦はEに当たります。医療機関に受診する必要があるものはD,Eです。 Cは現在関連すると思われる健康上の問題を抱えている(たとえは、胃がもたれる。)、あるいは心配で放置して良いかどうか調べてほしい場合は受診すると良いと思われます。

ところが、健診機関の調査では、D,E判定をもらっているにもかかわらず放置している方がかなり多いそうです。
実は、再三受診を勧められて私のところへ訪れる方たちには、かなり病状が進んでから受診される方が多く見られます。進行した胃ガン、肺ガン、大腸ガンの方や、重度の糖尿病の方たちもおられます。お聞きすると、ほとんどの方が「特に症状がなかったから、大丈夫だと思った。」とお答えになります。この方たちは、何のために健診を受けられたのかと残念でなりません。

逆のケースも見られます。B,C判定をもらっただけで、夜も寝られないほど心配し、診察室に入ってくるなり、「私ガンでしょうか?」とお聞きになる方。
「悪性疾患の心配はほとんどありませんが、放置して良いものかどうかCTで確認してみましょう。」と説明して検査予約をすると、その後検査結果が出るまで、日夜仕事が手につかないほど心配し、結果が出る日はまるでガン告知でも受けるかの様な顔をして来院され、「古い炎症の陰でしたから大丈夫ですよ。」と言われるやいなや、涙を浮かべて安心される方がおられます。

気持ちはとてもよくわかります。しかし、最初にお話ししたように、健診や人間ドックは重大な病気の精密検査のためにやっているわけではなく、健康管理や病気の早期発見のため、そして安心のために行うものです。決して心配するために行うものではありません。定期的に受けておられる場合は、異常値が出たからと言って慌てず、内容をよくお読みになり、必要に応じて適切に受診をして安心されることが良い健診の受け方です。

自家用車の定期点検は、法律で義務づけられています。

ご自身のことも、愛車以上に大切になさり、無理をせず、エンジンを吹かしすぎず、スピードを出さず、定期的にオイル交換をして、毎年点検を受けられ、故障もなく長くお使いになることをお勧めします。

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