癌を繰り返す女性 [ひとり言]

rose.jpg あなたはこの世に咲いた唯一の花

心身一如

禅に由来する言葉。
心と体は表裏一体で切り離すことはできません。
お互いに影響し合って、生命現象を営んでいます。

たとえば、怒りの心を持てば肝の臓を病みます。
うつの心で過ごせば,胃の腑を病みます。
恐れの心が芽生えれば、腎の臓を痛めます。

昔からの言い伝えは、あながち科学的根拠がないと切り捨てることはできません。

漢方をはじめとする東洋医学やアーユルベーダなどは膨大な経験に基づく演繹的な方法で大系づけられています。今風に言えば「統計学」です。

現代医学は、生物、化学、物理学等の科学に基づく理論的な学問的背景の上に、統計学的な方法で治療の有効性が証明されています。
現代医学の欠点は、伝統医学に比べて経験が少ないと言うことです。
それを補うために、少数で数学的な証明が可能になるように、統計手法がデザインされています。

鳩山首相の頃、代替医療の有効性を検証するための予算や施設作りをすると約束されましたが、その後事業仕分けによって話は立ち消え、先頃、統合医療を研究するための大学建設の申請が却下されました。
ほとんど、中世の宗教裁判と変わらず、学問の自由をも侵害しかねない事態です。

しかし、よく考えてみれば、現代医学以前に数千年の歴史を持つ伝統医学を、加持祈祷と同じく無効であると否定するだけの科学的根拠を示すことができないのも事実です。

さて、前置きはこの辺で、本題に入っていきたいと思います。

この話は、私が体験した実際の事例ですので、個人情報を保護するため、内容に影響を与えない程度に脚色が加えてありますのでご承知置きを。

最初のエピソードは、彼女が60歳代後半の頃。
始めてお越しになったとき、高齢者特有の自律神経障害かと思わせるような、バラエティーに満ちた症状の数々。

ふらつき、めまい、倦怠感、動悸、時々起こる胃部不快感、不眠等々。
血圧がやや高い以外は、診察所見に異常なし。

話しぶりは、とても早口で、ややイライラした話し方。
私も最初は高血圧と自律神経障害あるいは軽症うつ病の合併かと考えましたが、
最近健診を受けたことがないとのことなので、健診並にまず全身検索を始めました。
しかし、全ての検査結果は異常所見がありません。

結果をお話ししながら、最近の暮らしぶりや、気がかりなことなどを四方山話と一緒にお聞きしたところ、やはり家庭内や近所の人間関係の問題が次から次へと出てきます。
ほとんどの内容が、「私が良かれと思ってやってあげても理解してもらえない。」というもの。
最後は「私はもう十分生きたからどうでも良い。」と言う捨て台詞。
それでも、しっかり心に思うことをお話になったのか、少し落ち着いた様子になりました。

suisen.jpg どうでもいい花など一輪もない

しばらく、来院していただきながら、やはり血圧が常に高いので、高血圧治療をすることになりました。

時々、訴えられる胃部不快感が気になり、胃の検査をお勧めしたところ、ごく早期の粘膜内癌が見つかりました。
とても感謝されて、手術を受けられたのですが、戻って来られたときには、入院中の不手際や医師の心ない言葉に腹を立てておられ、しばらくその話を聞くことになりました。

それから数年経ち、もう再発はないだろうと思われる月日が流れたある日、腹部エコーで肝臓に1cm強の腫瘤が見つかりました。
再度、総合病院で精査してもらったところ肝臓癌の疑いが濃いとのことで観察が始まりました。
ウイルス性の慢性肝炎など全くない、肝機能検査異常のない方です。

総合病院で経過を見ながら、検査を繰り返し、手術までにはしばらく時間がありました。
いつものように、私のクリニックで血圧治療をしながらお話しを聞いていると、やはり、腫瘍を切るのか切らないのかはっきりしない、検査ばかりで説明がなく何をしているのかわからないと言った不満を漏らすことしきり。

私が、「腫瘍はまだ小さいから慌てる必要はないですよ。前の胃がんの転移か新たな原発性肝癌かがはっきりしないと治療方針が定まらないから、様々な検査をしながら適切な治療方法を考えていらっしゃるのですよ。」とお話しすると、
「総合病院の医師はそんな風にきちんと説明してくれない。」
「どうせ、私はこの年まで生きると思っていなかったからどうでもいいんだけどね。」
と、以前と同じ捨て台詞。
最終的には、新たな癌と診断され、手術を受けられました。

さらに約2年が経過しました。
手術後の経過を観察中に、別の部位に新たな癌が発見され、3度目の手術となりました。

手術後の経過が落ち着いて、再度私の所に戻って来られました。

お話になることは、全てに対して感謝の言葉と、最近は得意の裁縫の技術を使って、老人施設へ寄付したりと、とても生きがいを感じる毎日を送っているとのこと。

表情も明るく、お帰りになる前の捨て台詞はなくなりました。
もう、彼女は70歳代の後半に入りました。

ajisai.jpg 咲き誇ってこそ人生

4度目がなければ、この方はもう癌から卒業されたのでしょう。
心身一如を身をもって体験されたことになります。

今では、ほほえましく、日々の生活のお話しをお聞きしています。

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原因を探したがる習性 [ひとり言]

waterfall.jpg 美しい気の中で健康になりましょう

あなたは心身共に健康ですか?  YES  NO
あなたの人生は順風満帆ですか?  YES  NO

上の質問に二つともYESの方、
きっと、今世はご褒美の人生ですね。神様から祝福された方です。

しかし人生はまだまだこれから。安心してはいられません。

「ツインソウル」の著者、福島大学教授の飯田史彦氏は、この本の中で、
ご褒美と思えるすばらしい人生を与えられた、いわばマスターと呼ばれるスピリットの持ち主も、時にこれほどの試練は他にないと思われる体験をさせられることがあると書いておられます。
全ては、さらなる成長のためだそうです。

さて、病気をはじめとして何か不幸に見舞われたとき、第一声はどんな言葉でしょうか?
ほぼ100%の方がこう言われますね。

「なぜ?」

順風満帆の時は、誰しもうまくいっている原因を深く考えたりはしません。
ところが、望ましくないことに見舞われた時、誰でも「なぜ?」と原因を深く考えます。
人間の習性と言ってもいいかもしれません。

HAMANA.jpg 原因はあなたが作ったものです

病気は降ってわいた不幸と誰もが考えますが、
診察室でこれまで何万人もの方と相対してお話しをしていて、いつの時代も変わらないことは、誰もがこれまでのご自分の行動や遭遇した出来事に原因を求めます。

① あの時、睡眠時間を削って働きすぎたのが悪かった。(実は鉄欠乏症で偏食が原因)
② 3日前にあの店で食べた弁当がちょっと古いような気がした。(原因は胃腸風邪)
③ 本当は、あの時あの人がこんな風に言わなかったら、自分はこんなにならなかった。
(根も葉もない被害妄想。不摂生が原因の自律神経障害)
④ あの時あの医者がこの薬を飲ましてから、ずっと調子が悪い。
(障害は内服を中止すれば1週間で改善するもの)
⑤ 2年前、交通事故で片方の腎臓をつぶしてから、私は廃人のようになってしまった。
(腎機能は正常。事故後回復のためのリハビリを怠ったのが原因)
⑥ あの日救急車で運ばれて入院したが、早く治療をしてくれなかったので後遺症が残った。
(後遺症は、入院時に確定していた)
etc.etc.

これでもやんわりと書いていますが、私が問診しているときの訴え方は壮絶または悲壮感漂うものがあります。

こう書くと、「なんて冷たい、思いやりのない医者だ!」とご批判を受けそうですが、
何を隠そうこれらの訴えの中に本当の原因を言い当てている事例はなく、()に書いたように全てが思い込みだったものなのです。

つまり、医学的あるいは科学的根拠に基づく原因を言い当てていないからです。もちろん、医学の専門家ではないので当然かもしれません。

しかし、誰もが全ての事柄に原因を求め、何らかの形で解決を求めようとする習性があります。

この習性ゆえに科学が進歩したのですが(笑)

しかし、よく考えてみてください。
原因と結論づけたことがもしこれらの事例のように間違いだったら...

その結論に縛られ、解決しないまま障害を引きずってしまう可能性があります。
また、原因と考えたことが、人生において繰り返し起こりうることであれば、
条件反射のように体調不良を繰り返します。

先日、外来でこんな訴えの方がおられました。
めまいで来院された患者様です。

「私、毎年6月になると決まってひどいめまいを起こすんです。」

この方は、この考えに縛られ、毎年6月になるとめまいのスイッチを入れてしまいます。

mirror.jpg 病気は心の反映

もう、お気づきの方もいらっしゃると思います。
ゴルフの時に池を前にすると、意識しすぎて池にボールを打ち込んでしまうのと同じです。

そう、潜在意識にある考えを植え込むと、そのように体が反応してしまうのです。
否定しても無駄です。否定すればするほど考えは強化されます。

私が、こう言ったら、あなたは何を真っ先に頭に浮かべますか?

よろしいですか?

「今から、黄色いレモンのことは絶対に考えないでください。」

と言ったら、何を真っ先に考えますか?
当然レモンのことですよね。

futami.jpg 夕日だと思った方、思い違いです

正しい原因と結果を導き出した上の解決であれば当然問題ありませんね。

しかし、原因を探したがる習性、癖と言っていいかもしれませんが、一度ストップしましょう。

「病は気づき」です、原因と結果の洞察はあなたが信頼する医師に任せ、
体調不良の時こそ、ご自分の体や心の声を良く聞いて上げてください。
決してあなたを苦しめようとしているのではありません。
あなたの癖や習慣、あるいは習性や考え方の誤りに気づいてほしいと言うシグナルです。
ご自分を良い方向に変化させることで、去っていってくれることが多いものです。

butterfly.jpg 病気のメッセージに気づきましょう

決して、体調不良を人生の主人公にしないように。
間違った原因探しと、誤った条件付けをしないようにしましょう。

次回は、各論です。「繰り返し癌を患う人」のお話をしたいと思います。

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血圧が高いと一喜一憂 [ひとり言]

DSCN0015.jpg ドレッシングにも十分な塩分が

昨日、岡崎市の福祉センターで「血圧と疾病」をテーマに、市民向けの講演を行いました。
80名ほどの皆様に集まっていただき、熱心にご質問もいただきました。

やはり、多くの方が、ご自分の血圧が上がったことに一喜一憂しておられますが、高血圧を放っておくと将来どんな危険があるのか、あるいは、ご自分の過去の生活にどんな問題があったかには、なかなか目が届かないものです。

最近、耳にする巷の話題で、医師も学会も高血圧の基準を下げて病人を増やし、国民を薬漬けにする過剰医療が行われているというお話しを耳にします。

私たちは、何を信じればいいのでしょうか?

どんな時も、どんな話題に対しても、一つの議論に対して反論が起こります。
このことは、「ほんとうのこと」つまり、真実を追究するために必要なことです。

「それでも地球は回っている。」という有名な言葉を残した、ガリレオの地動説も同様です。過去の定説が覆り、真実が認められるためには長い時間がかかります。

しかし、こと健康の話題になると、そんな悠長なことは言っておれません。私たちの健康寿命にかかわることですから。

血圧に関してこの図を見てください。これは、近年日本で行われた、血圧と心血管病による死亡率の関係を示したものです。少なくとも、この統計に薬剤メーカーの利権はかかわっていません。

血圧と心血管死亡.gif 血圧と死亡率の関係

この図をご覧になったかたは、ご自分の血圧をどの辺りにしておきたいと考えられますか?

どうしたら死亡率の低い血圧帯にとどまれるかを知りたくなりませんか?

どの医師に聞いても、心脳血管病の経験のある市民の方々に聞いても、このことだけは確かです。心血管病にかかる人のほとんどが血圧が高い方達です。

高血圧、脂質異常症(高TG血症、高コレステロール血症)、糖尿病、肥満者の人口は、10年前、20年前に比べてうなぎ登りに増加してきています。そして、この4つの異常が全てそろうと「死の四重奏」と呼ばれます。

原因は、言うまでもなく生活習慣の乱れです。外食、高カロリー、運動不足に加え、家庭の食事も過去に比べて豊かになり、「健康のため」という名目の過食が何の疑いもない「普通の食事」になってしまっていることにどれだけの人が気づいているでしょうか?

日本人の約8割が塩分感受性高血圧と言われています。
日本人の平均塩分摂取量は11gと言われています。

血圧を上げない推奨の塩分量は1日6gと言われています。

お味噌汁1杯塩分2g。ラーメン1杯塩分8gです。

真の健康を守るのは、医師でも、製薬会社でも、厚生労働省でもありません。
他ならぬ、あなた自身です。

見かけ上の、過剰医療や薬漬けを避けるためには、真実の「健康的な生活習慣」を、勇気を持って取り戻すことです。

医療や、製薬メーカーの過剰状態を批判する前に、それこそ、コマーシャルベースで誘惑する、美味しい食品や料理の罠にはまらないように、真贋を見分ける力をつけましょう。

http://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/what-should-you-eat/pyramid/index.html

healthyeatingpyramidresize.jpg 肉も白米も避けましょう

ハーバード大学のニュースレターです。
以前のブロクで掲載したものを再度ここでお示ししたいと思います。

ここで書かれていることが、真実でなければ私たちは信じるものが存在しなくなります。
これが、健康になるための食事、healthy eatingです。

今こそ、健康長寿のため、行動を起こしましょう。

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ふたたび宇宙へ [ひとり言]

M20.jpg 宇宙に咲いた花(三裂星雲)

今、日本でも宇宙開発ブームです。
NASAで宇宙開発に携わった日本人が従事した時間は世界で5本の指に入るそうです。

これまで、メインの宇宙開発事業であった、スペースシャトル計画は先日、終止符を打ち、日本も、独自の宇宙開発に着手しようとしています。

宇宙は、もう人類の手の届くところに来ています。
ジュールベルヌの月旅行の話からは想像も付かない所までやってきました。
人々の思いが、宇宙へ飛び立つことを可能にしたのです。

全ては人々の思いです。

私の子供の頃の夢は、天文学者になることでした。
どこで、どう間違ったのか、病気ばかりしていた天文少年は、ある日医者になることを決意しました。

しかし、今でも宇宙との対話は続いています。

M64.jpg 黒眼銀河

宇宙は、こんなにも美しいところです。
宇宙規模から見れば、目の前で起こっている様々な人間的な出来事は、全て風の前のチリのように思えてきます。

生物が住める地球型惑星が誕生する確率の低さ、そしてそこに知的生命体として存在する私たち自身の、偶然と言うにはあまりにも確率の低いこの生命の営みに、宇宙の愛を感じずにはおれません。そう、思うのは私だけでしょうか?

fullmoon.jpg 生物が生きているのは月のお陰

私たちの生活は、この広大な宇宙の営みの一つです。

そして、その宇宙は、チリのような私たちの思いで、変化していきます。

良い変化も、悪い変化も、私たち次第です。しかし、その変化も宇宙からしてみればただの一現象に過ぎません。

M8.jpg 干潟星雲

あなたは、宇宙にどんな思いを描きますか?

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ギャップの天使 [ひとり言]

DSCF0089.jpg 希望の虹

号外です。

今日、5月14日、とても尊い方がなくなられました。
オーストラリア・シドニーの名勝地、ザ・ギャップで50年間、飛び降り自殺をしようとする人を助けてきた、ドン・リッチーさんです。

「ギャップの天使」と言われたドン・リッチーさんの寿命が尽き、今日なくなられました。

彼は、壁から飛び降りようとする人たちに歩み寄り、「何かお手伝いできることがありますか?」とだけ尋ねた。しかし、多くの場合たったそれだけで、自殺を思いとどまらせるのに十分だったのです。

50年間、自殺志願者に声をかけ続けるなんてことは、並大抵なことではありません。
彼は、その50年間の間に160人以上の人を救ったそうです。

人々を救ったのは、優しい言葉と笑顔の力です。

どこかで聞いたような話だと思われた方。

そうなんです。日本にもいます。

東尋坊のちょっと待ておじさん。

茂 幸雄さん。

彼も、東尋坊で自殺しようとする人に声をかけ、150人以上の尊い人命を救ってきました。

愛の力で、希望を失った人たちに再び生きる力を与え続ける菩薩のような人たちがいます。
彼らの魂は皆、マスターと呼ばれる人たちのものでしょう。

自殺が年間3万人以上となって長い年月が経ちました。
そんなに苦しい辛い時代がなぜいつまでも続くのでしょうか?
どうしたら自ら命を絶つ人を救えるのでしょうか?

いいえ、苦しく辛いのは世の中のことではありません。
何を失っても、これだけがあれば生きていけると思えるものは何でしょう。

愛情に満ちた、優しい言葉と笑顔があれば、共に寿命が尽きるまで生きていけます。

誰もひとりぼっちにならないよう、ひとりひとりが近くにいる人に笑顔で声をかけてみませんか?

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1周年記念 [ひとり言]

asagao.jpg 1年草

おかげさまで、ブロクを始めてちょうど1年目の記念日となりました。
本日で、38496アクセスをいただくことができました。
私の拙い話にお付き合いくださった読者の皆様には、感謝の言葉もありません。
本当にありがとうございます。

ちょうど10年前に、より多くの人たちが病気にならない生活を送る手助けをしたいと開業を決意し、
人々を癒す、ヒーリングフォトのギャラリーをいつか作りたいと願いながら8年の歳月が流れ、
「町医者のひとり言」構想から5年の歳月を経て、ようやくブログが始まりました。

実は、始めるきっかけは昨年3月11日の、東日本大震災です。
あの、惨状をご覧になって心を痛められた方々も多いと思います。
私自身も、何かをしたいという衝動に駆られました。

ちょうど震災の影響で春に開催される、循環器学会と内科学会が中止になり、しばらくの時間が私に与えられました。

学会参加のために、クリニックを休診にしていましたので、その数日を利用して、フォトギャラリーと、ブログを始めることができました。

わずかながらでも、読者の方々のお役に立つ話があることを願ってやみません。

誰もが健康で幸せな日々を、愛する人たちとともに生きていきたいと願っています。
しかし、病気だけでなく、大震災や原発事故のように、想定外の出来事が、人々の普通の幸せを阻みます。

どんな境遇にあっても、幸せを見失わない人生を追求することは難しいことです。

心と体は一体であることを何度もかかせていただきましたが、真実は全て自分自身の中に備わっていて、唯々それに気づくことが、幸せへの近道であることを多くの先人が証明しています。

心を病めば体も病みます。
心が健全なら体も健全になろうと変化していきます。
スピリチュアルな話だけではありません。以前、体を守る免疫細胞の機能が、心の影響を強く受けていることをお話ししました。

健康に生きるためには、そこに、全てのヒントが隠されています。

幸せを引き寄せるのも、不幸を引き寄せるのも全て自分自身であり、目の前で起こっている事象が幸不幸を決めるのではありません。

大震災は、自分自身が引き寄せたものではないとおっしゃるでしょう。
愛する人を亡くしたことが不幸でないわけはありません。

お釈迦様は、旅の途中で他国の兵に、一族を皆殺しにされました。

しかし、多くの人は全てを乗り越えて、前に進んでいきます。

悲しみを糧に、さらに高いスピリットを身につけていきます。
亡くなった愛する人に恥じない人生を歩もうと前に進みます。
それが全ての人に備わっていることに気づくことが大切なようです。

私の、副業は催眠療法士です。多くの人たちの前世療法を通して、たくさんの人生を共有させていただくことができました。

1つの人生を終わって、真我に目覚めたとき、面々と綴られる人生の意義を発見されます。

真の幸福はすでに備わっていて、人生はそれを発見し、成長させる旅であるということを。

wasurenagusa.jpg わすれな草は二年草。冬を越します。

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最先端医療と全人的医療 [ひとり言]

Hawai2432.jpg 医学は全ての人のために

先日、私たち循環器専門医にとって、最大級のイベントである循環器学会に行ってきました。

循環器学会は、世界中から世界最先端の研究をされている循環器領域の学者を一堂に集めて2万人以上が参加する国内最大級の学会です。

今年は福岡で行われています。メインテーマは
愛と情熱 ―アジアから世界へ― Love and Passion -from Asia to the World-
昨年は震災で開催中止となり、今年は震災復興を受けてテーマもずいぶん様変わりをしたようです。

最近は、遺伝子解析を用いた循環器疾患の病態解明やリスク判定、あるいはiPS細胞や骨髄幹細胞を用いた再生医療と言った最先端医療の話題が中心でした。

ところが、そうした最先端医療の話題とは別に、今年のテーマに象徴されるような全人的医療の話題も取り上げられるようになってきました。

鹿児島大学が中心で研究している“Waon therapy”。 日本語で書けば和温療法となります、最近、アメリカ学会でも発表され話題を呼んでいます。

60℃の低温サウナが、血管拡張作用や交感神経抑制作用があることを応用し、心不全や末梢循環障害の患者さんを治療する療法です。

すばらしい効果を発揮しているとのことで、脚光を浴びていますが、残念ながら保険適応になっていません。
鹿児島県では開業医の先生が自費で応用しているそうですが、設備費や電気代を考えると持ち出しになるそうです。

私たちが駆け出しの循環器科医だったころは、心不全患者には安静が必要で、入浴も控えた方が良いと指導されました。
もちろん、その後に低温入浴や心臓リハビリテーションが、心不全の治療や、QOL、予後の改善に功を奏しているといった治療法の変遷がこの20年の間に起こってきています。

今、低温サウナの効用が、最先端医療を扱う循環器学会で話題にのぼるところを見るにつけ、これまでいかに「重箱の隅」的な研究が重視され、ホリスティックが医療の研究が立ち遅れてきたかを物語っているような気がします。
批判しているわけではありません、同時に発展してこなかったことを残念に思っているだけです。

今回の循環器学会は、鹿児島大学が世話人となっていましたが、シンポジウムの演題に心不全患者に対するホリスティック医療の話題が取り上げられていました。

医学も、遺伝子解析や、再生医療がかなり研究し尽くされ、後は今後の臨床応用への発展を待つばかりになってきました。
つまり、行き着くところまで来た感があります。

最先端医療をめざす学会の中で、ホリスティック(全人的)医療に目を向けられたのは、医学の後退ではなく、医学が目指す必然的な方向性のように考えられ、うれしく思います。
愛と情熱というテーマも、そのあたりからも感じられました。

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体が錆びつく 酸化と病気 [ひとり言]

Fotolia_158584_S.jpg あなたの体を錆びつかせるものは何?

先頃、私の母校、名古屋大学から、ストレスがメタボの原因になるとの研究発表がありました。

テレビ番組で、街頭のメタボかな?と思われる人たちに聞き取りをしていましたが、多くは「ストレスなんかない!」といった反応でした。

もちろん、メタボの原因=ストレスと言うことではなく、ストレスがメタボの原因の1つになりますという、動物実験に基づく結果です。

ストレスと言えば一般的には、物理的、科学的、環境的、心理的ストレス等を表しますが、体の中で起こっているストレス反応は、一般的に酸化ストレスと呼びます。

つまり、生体にストレスを与えると、体の中で酸化が起こります。
この、酸化が様々な病気の原因になることが多くの研究でわかってきています。

ご存じのとおり、酸素は生きていく上で必要欠くべからざるもの。
エネルギーを作るために酸素を使い化学反応を起こし、その一部は反応の過程で活性酸素と呼ばれる、反応性の高い酸素に変化します。

この活性酸素が、様々な生体物質と反応して細胞を傷害していきますが、正常の状態では抗酸化作用によって活性酸素を速やかに除去されます。

この、正常の機構が様々なストレスでうまく働かなくなります。

酸化ストレスによって障害を受ける組織は、肝臓、腎臓、肺、心臓、血管、関節、骨、皮膚、筋肉などありとあらゆる組織に及びます。

活性酸素によって酸化されたLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が血管内皮と呼ばれる細胞を傷害して、動脈硬化が起こることは以前お話ししました。

その他、リウマチ、膠原病、癌、糖尿病の発症にも関係していると考えられています。

酸化。つまり、錆びること。体が錆びることが老化や病気の原因ということになります。

体が錆びるのを早めるものは以下のようなものがあります。

酸化した油
様々な食品添加物
飲酒、喫煙
精神的ストレス
激しい運動
細菌、ウイルス、カビの感染
紫外線
農薬
排気ガス、ダイオキシン

今はやりのアンチエイジングは、この酸化を防ぐことが目的となります。

ビタミンA、C、E(ビタミンエースと覚えてください)、ポリフェノールなどが抗酸化物質として薦められています。
ただしビタミンについては過剰摂取は逆効果です。

意外に知られていないのが食用油。

以前にもお話ししましたが、日常よく使われるサラダオイル、ごま油、オリーブオイルは必須脂肪酸のうち、ω6と呼ばれるものが主で、生体内の炎症に関係します。

逆に魚油に含まれる、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)や、
亜麻の種、荏胡麻、紫蘇に含まれるαリノレン酸はω3脂肪酸とよばれ抗炎症作用を持ちます。

動脈硬化予防、抗酸化のために本来はω3:ω6=1:4程度の比率で摂取するのが良いといわれていますが、日本人の大半は1:50とω6過剰状態になっています。

私のクリニックでも、脂質異常症の方の脂肪酸分画を調べてみますと、EPA(ω3脂肪酸)とアラキドン酸(ω6由来)の比、EPA/AAが低い方はLDL-コレステロールが比較的低い状態から動脈硬化が進んでいます。

日本で行われた有名な大規模臨床試験があります。JELIS試験と言います。
高コレステロール血症でスタチンと呼ばれるコレステロールを低下させる薬をすでに服用して、良好なコントロールがされている患者さんに、EPAを1日1.8g服用させたところ、心筋梗塞、脳梗塞などの発生を服用しない人に比べ、さらに20%低下させました。
EPAにはそれだけ動脈硬化予防作用があることを示したものです。

すなわち、体が錆びるのを防ぐ、潤滑油とでも言えるでしょうか。

DX01696.jpg

原材料は100%イワシです。

日本人のフードファディズムにならないのが不思議です。
私のブログでフードファディズムが起こせないのが残念です(笑)。

私を含め、私の所に通われる皆様のEPA/AA比が推奨値の0.7以上の方は極々少数派です。
ちなみに私のEPA/AA比は1.14です。

あなたの体を錆び付かせないように。

DX02135.jpgDX02216.jpg

病気の予防には、新鮮野菜・果物のビタミン・酵素、ポリフェノールと、魚油のEPA、DHA、そして亜麻仁油、紫蘇油、荏胡麻油に含まれるαリノレン酸を多く取りましょう。

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恐れを手放す [ひとり言]

suisen.jpg どれ一つ同じ花はない

今日は少しネガティブなお話しから始めたいと思います。
物語も映画も、そして人生も

最初は、順風満帆に見えても、どこかで思わぬ方向へ逸れ、
様々なネガティブの感情を抱くイベントに辛さを感じて、

そして、大半の方がハッピーエンドとなります。

終わりよければ全てよしと言います。

ハッピーな死を迎えるか、アンハッピーな死を迎えるか
それが問題です。 
   ―――シェイクスピア―――ではありません

いずれ訪れる死を自覚しながら生きている動物は人だけだと言います
本当にそうでしょうか

自然界の動物の多くは、死期が近づくと身を隠し、静かな死を迎えます。
まるで死も自然の流れのひとつのように。

人は、誰にも等しく訪れる死を、誰もが恐れています。

もちろん、日常は、そんなこと全く意識もせずに生活していますが。

善光寺をお参りされた方は、どこかにこんな内容のことが書いてあるのに気づかれたかと思います。

今日一日を、今日死ぬ運命にある人と同じ気持ちで生きてみてください。
わずか1分1秒も無駄にはできないはずです。

ここで言う1分1秒は、行動だけのことを言っているわけではありません。
自分らしく、充実した今を過ごしているかどうかと言うことでしょう。

もし、これができたら、恐れも、怒りも、悲しみも、嫉妬も心の中には存在しえなくなります。

たびたび道元禅師の言葉をお借りしますが、

道元禅師の正法眼蔵『行持』の巻に、「光陰は矢よりも迅なり、身命は露よりも脆し・・・徒らに百歳生けらんは恨むべき日月なり、悲しむべき形骸なり、設ひ百歳の日月は声色の奴婢と馳走すとも、其中一日の行持を行取せば一生の百歳を行取するのみに非ず、百歳の他生をも度取すべきなり、此一日の身命は尊ぶべき身命なり」とあります。

 時が経つのは飛ぶ矢よりも速く、また我々の生命は朝露が日光で消え去るよりももろくてはかないものであり、過ぎ去った時を取り戻すことはできません。 ・・・ 無益に百年長生きたところでせっかくの生涯も、それは恨みや後悔の多い月日です。悲しむべき命だったと言うことになります。たとえ百年の長い人生を、お金や欲望に振り回されて、我欲を満たすために過ごしてきても、自分の人生とは何だったのかというむなしさに気づく人もいるでしょう。しかし、その中で1日だけでも真実の生き方をしていたならば、全ての人生が有意義なものになります。

という内容の人生訓です。
さて、話を戻しますが、人が往々にしてとらわれがちな「恐れ、不安、怒り、悲しみ、嫉妬」の心は、真実の生き方から生まれるでしょうか?あるいは自分自身を幸せにし、誰かを幸せにできるでしょうか。
そのような心持ちでいれば、それこそ「徒らに百歳生けらんは恨むべき日月なり、悲しむべき形骸なり」と言うことになります。

私の仕事は、日々、人々の死に対する恐れと相(あい)対することです。

人は、何かの体調不良が起これば、まず何か悪い病気ではないか、死んでしまう病気ではないかと恐怖します。

健診や人間ドックを受けては、異常値があると、まるで癌の宣告を受けたかのように、恐怖し、病気ではないことが判明するまで不安な日々を過ごします。

「それが人間なんだ。」とおっしゃる方がいますが、そういってしまうと「恐れ、不安、怒り、悲しみ、嫉妬」の苦を生む感情を容認してしまいます。真実の生き方を放棄することになります。

残念ながら死の病を宣告しなければならない方も、中にはおられます。
その人達の心から、「恐れ、不安、怒り、悲しみ、嫉妬」を取り去り、真実の生き方に目覚めていただくことができたら、
「一日の行持を行取せば一生の百歳を行取するのみに非ず、百歳の他生をも度取すべきなり、此一日の身命は尊ぶべき身命なり。」と言うことになります。

誰一人同じ人生を歩む方はいません。生きる長さも違います。
他人の人生と比べても意味のないことです。
全てがこの上もなく尊いものです。

では、真実の生き方に目覚めるとはどういうことでしょうか?
全ての答えは、自分自身の中にすでに備わっています。

生きてきた人生の中で、「何をなしたか」よりも「どうあり続けるか」が大切なように思います。

以前、私の友人のお母さんが死の病に伏せっていらっしゃるときに、
「体は重い。でも、真実に気づけば心は軽い。」と私に向かっておっしゃいました。
その言葉が、私の心に焼き付いて離れません。

親鸞聖人がおっしゃっているように、たとえ今いる場所が地獄のような所でも、自分の心のありよう次第で極楽浄土にできると。

宇宙のエネルギーは全て「愛」と以前お話ししました。
自分自身の心のありように気づき、「今ここ」に意識を集中すれば、穏やかな、そして満ち足りた愛の心であり続けることが真実の生き方であることに気づきます。

それに気づけば、人は必ず「菩提心」が備わっていることに気づきます。

菩提心とは、自分自身がこれから行こうとする、愛に満ちた幸せな世界へ、他の人たちも同じく導こうとする心のことです。

つまり、誰かを幸せにしたいと思う愛の心です。

たった1日でもいい、菩提心にあふれた真実の1日が過ごせたら。
そこに、「恐れ、不安、怒り、悲しみ、嫉妬」の心が入り込む余地はありません。

恐れのない、愛に満ちた人生はすでにあなたに備わっています。
気づくだけです。

Be Happy!

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今年はトマトジュースだ! Food Faddismの怪 [ひとり言]

DSC_3997.jpg 季節には旬のものを

ここ数日、ようやく暖かさを感じる日が現れ、インフルエンザも減ってきました。
そのかわり、毎日の外来で気づくことは、胃腸風邪が増えてきていることです。

インフルエンザと言えば、明治のヨーグルトR-1に予防効果があると言って、馬鹿売れしました。

ヨーグルトは免疫を賦活しNK細胞の活性を高める作用があることはわかっています。感染症にかかりにくくなることも事実です。ただしR-1に特有のものではないと明治さんもコメントしています。

今年は、さらに引き続き、トマトジュースが脂肪燃焼効果がある(ある学会発表が発端)と言って、スーパーの売り場からトマトジュースが消えようとしています。

以前、大流行したバナナや寒天などは、今は平気な顔をして店先に並んでいます。

マスコミの力がこれほど恐ろしいものかと、ある意味感心させられるものがフードファディズムと呼ばれる熱狂的食品ブーム。

ファディズムとは「一時の気まぐれと」訳されます。

少し歴史を観てみると

1975年 紅茶キノコ
1988年 酢大豆
1994年 野菜スープ
1996年 ココア
2002年 低インスリン食品
2003年 ヨーグルト
2004年 黒豆煮汁
2005年 寒天
2006年 バナナ
2010年 リンゴ
2011年 ヨーグルトR-1
2012年 トマトジュース

いずれも店頭が品薄になるほどの大ブームが起こりました。

誰が健康になったでしょうか?

これらのブームに乗って健康長寿された方はご連絡ください。

そのほかにも、健康に良いものとして静かなブームを呼んだものは数知れずあります。
有効性に関する科学的根拠はそれなりに示されているものが多いのは確かです。
しかし、それを大量に摂取すれば健康が得られるほどの、<臨床的有用性>をものは何一つありません。

なぜ、日本では、それこそ日本中が品切れになるほどの熱狂的なファディズムが起こるのでしょうか?

もちろん、マスコミで取り上げられ紹介されることが発端であることはご承知の通りです。
まさに、「ペンは剣よりも強し。」でしょうね。
しかも、大半がバラエティ番組です。
一歩間違えれば、国民を大量の健康被害に導くことも可能です。

これまでファディズムの対象になった食品は、確かに健康に良いものです。
日常の食生活に、多く取り入れてほしいものばかりです。

ただし、偏った食生活に健康長寿は訪れないことも肝に銘じるべきでしょう。

DSCN0015.jpg 香りの野菜はいかがですか

自然で、昔から体に良いとされている食材をバランスよく食べて、
食事の終わりは、昔の健康長寿国沖縄にならい、

「クワッチーサビタン」 (ごちそうさま。)

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